検査・診断
歯周疾患の検査の主な目的は、歯周疾患を鑑別・診断すること、開始時期とその進行状況を確認すること、病気のかかりやすさを調べること、治療に対する反応のモニターをすることなどです。
検査項目には、以下のようなものがあります。
検査項目
- 歯肉の炎症に関して:BOP、浸出液中の白血球数、浸出液中の白血球の炎症性産生物やメディエーター9
- 歯槽骨の変化
- アタッチメントレベル
- 細菌叢の特定
- 免疫反応:抗体価、免疫応答細胞
一般的に虫歯(う蝕)とは口腔内に繁殖した細菌が食べ物に含まれる糖質を餌にし、酸を発生させこの酸が歯の表面を溶かし穴が開いていくことをいいます。
この過程を「脱灰」といいます。初期の脱灰は、歯の最表層よりも、内層に数十ミクロン入ったところのほうが強く起こり、歯の内部に浸透した光が複雑に屈折反射するために白濁した様相(白斑〈はくはん〉)を呈しています。
この白斑のレベルであれば、ていねいな歯磨きを続けることで唾液の生理的作用によって再石灰化が期待できます。
再石灰化とは、唾液に含まれるカルシウムやリンが初期の脱灰を修復することができる、この現象の事をいいます。
通常、歯は食事をする度に脱灰と再石灰化が日常的に行われています。
ですが過度の脱灰には再石灰化も追いつかず、一度進行してしまうと自力で治すことは不可能です。
日ごろからのハミガキや健康的な食生活を送るのが一番の虫歯予防なのです。
それでも虫歯が進行してしまったら是非ご相談下さい。
早期発見・早期治療に勝るものはありません。
虫歯の過程を分かりやすく説明する表記を専門用語で虫歯を指す「カリエス」の頭文字”C”を用いてC0~C4と段階が付けられています。
段階によって治療内容も変わってきますので参考になさってください。
一般的に「初期虫歯」といわれる段階です。
まだ穴になっていないため、毎日のハミガキや
再石灰化などで十分修復が可能な程度です。
ただ、進行しやすい状態であるため
4カ月に一度は歯科医院でのケアが必須になります。
穴が歯の表面のエナメル質部分のみにできた状態です。
痛みはありませんがレジン(歯と同色の樹脂)やシーラント(患部消毒後の溝埋める)などの治療が必要です。
エナメル質から象牙質に達し状態です。
痛みはあまりありませんが冷たいものがしみ始めます。
インレー(患部を削ったあとの被せ物)やクラウン(患部を削ったあとの冠状被せ物) などの詰め物、被せ物の治療が必要です。
虫歯部分が歯髄にまで侵食し激しい痛みを伴います。
痛みは一時的なもののため痛みがなくても進行しているケースが多いです。
この場合は、神経の治療が必要になります。
上物はインレー、クラウンなどの治療が必要です。
歯の神経が死んでしまい歯のみならず身体への影響もでてきます。状態によりますが抜歯などの処置が必要なケースも多いです。
歯周病とは、歯の周りの組織(歯肉や歯槽骨など)が、プラークと呼ばれる細菌の塊内に存在する、歯周病菌に感染することによって引き起こされる、歯周組織の病気の総称を言います。
主な症状には、歯茎(歯肉)が腫れたり、出血したり、最悪な場合には歯自体が抜けてしまうこともあります。
歯周病にかかった場合、初期の段階では、ほとんど自覚症状が出ませんので、気づいていない人が多くいると思われます。
しかし、実際には、成人した日本人の80パーセントもの人がこの歯周病にかかっていると言われており、日本人の歯を失う最も大きな原因となっています。
歯周疾患の原因によって、歯肉が赤くなったり、腫れたりするなどの炎症が現れます。
歯肉炎となった後、歯肉炎が進行することにより歯と歯肉の付着レベルが破壊されてしまい、歯周炎となります。
歯周炎が重症化することで歯を支えている歯槽骨の吸収が進行し、その結果、歯の動揺が増大することで最終的には歯の喪失にいたります。
歯ぐきの腫れ・知覚過敏が起こります。
強い口臭と、軽い歯のぐらつきが生じます。
咬めないほど歯がぐらつきます。
検査・診断
歯周疾患の検査の主な目的は、歯周疾患を鑑別・診断すること、開始時期とその進行状況を確認すること、病気のかかりやすさを調べること、治療に対する反応のモニターをすることなどです。
検査項目には、以下のようなものがあります。
治療
まず原因を除去して病変の進行を止めます。さらに、患者さんに合った治療を選択していきます。
以下のような項目を実施後に一定期間経過観察して治療効果を判定し、初期治療の結果を見直して再評価を行います。
初期治療後に行われる外科的治療で、目的別に以下の治療が行われます。
使用する材料によっては、一部保険適用外の処置になる場合もあります。
詳しくは担当医からご説明があります。
歯周ポケットの減少を目的として、切除療法、組織付着法(新付着術、フラップ手術)、再生治療法(歯周組織再生誘導法)などを行います。
歯周組織の健康を維持したり、プラークコントロールを行いやすい口腔環境に改善したりする外科的処置です。形態的、機能的に適切な付着歯肉の幅を形成・維持することを目的としています。
メインテナンス
歯周治療によって得られたよい歯周組織の状態を長時間維持するためリコール(口腔内の定期健診)とホームケアが行われます。歯周疾患の進行や再発防止のために定期的に歯科を受診し、必要な処置を受けることが大切です。