治療において起こりうること

> 治療において起こりうること

はじめに

歯科治療は、歯を削合したり、失った歯を回復させる外科的処置になります。
治療において、起こりうることについて記載させていただきます。

参考にして頂き、症状がでて心配なケースや、つらい場合は一度診察させて頂ければと思います。

麻酔について

麻酔をうった部位が、腫れて腫脹や痛みを感じる
麻酔をうった部位からの一時的な感染が考えられます。
2週間程度で症状は軽減いたします。

抗生物質や口内炎の薬を処方する場合がございます。

前日、睡眠不足や、疲労が蓄積して免疫力が低下している方は、麻酔後、気分が悪くなり、意識消失が起こる場合が稀にあります。治療時には、体調を整えて診療に臨むようにして下さい。また、睡眠不足や寝ていない時などは、事前の申告をお願いいたします。

麻酔の成分には、血管収縮作用が含まれており、一時的に心臓がドキドキしたり、血圧があがることがあります。症状が強くあらわれる場合は、麻酔の種類を変更することも可能です。ご相談ください。

下顎の小臼歯付近にオトガイ神経の出口があります。稀ではありますが、麻酔の液がオトガイ神経の出口に入ると麻酔後2週間ぐらい下唇のしびれが残ることがあります。症状は徐々に消失するといわれております。

虫歯の治療

神経が保存できた場合

銀歯や詰め物で修復・ブリッジで神経を残した場合、治療前に痛みが無くても、虫歯をとったことにより神経が刺激され、2から3日強い痛みがでたり、冷温痛がでたりすることがあります。症状が、1週間程度で引いて、日常生活に支障がなければ、神経を保存するべきだと考えております。虫歯が残っているわけではなく、神経が過敏になっていることが原因です。ただし、日常生活に支障がでたりしみるため、治療した歯を避けて食事をするようでしたら、歯としての意味がありませんので、神経をとってでも、しっかりと使えるようにするべきだと考えられます。

虫歯が神経に行かない場合

小さい場合は、歯を削り、白い詰め物(プラスチック)を詰めて1日で治療終了します。

虫歯が大きい場合は、歯を削り、一度神経の保護剤で覆って神経を保護する。その後、数日、様子を見て型どりをして、詰め物を入れます。

虫歯が神経までひろがっている場合

神経治療が必要になります。神経治療は、およそ2~10回程度かかります。
治療中はなるべく、長期間(1か月以上)あかないように通院お願いいたします。

虫歯についてはこちら

神経をとった場合

神経をとると、7から8割の方に、フレアーアップといわれる、治療後の症状が起こります。症状としましては、神経をとった歯が噛むとひびいて痛い。ずきずき痛いなど。
約1~2週間で、症状が消えて噛めるようになっていきます。

神経が腐っている場合や、一度神経をとった歯の根に膿がたまっている場合
治療をすることにより、細菌が刺激されて、治療前よりも大きく腫脹することがあります。
この場合は、抗生物質を服用してもらい、必要なら腫脹した部位を切開して膿を出します。
痛みと腫脹は1週間程度で引いてくることが多いです。

神経治療についてはこちら

入れ歯を製作した場合

入れ歯は、出来てすぐに使えるようになるものではありません。
かみ合わせや、内面の調整を数回行わないと、歯茎に傷が出来て痛くて噛めません。
入れ歯の完成後は、可能でしたら3日おきぐらいに調整にいらしてください。
傷口がつらい場合は、薬を処方することもあります。

目安:上顎は、3から5回程度。下顎は10回程度。

入れ歯についてはこちら

抜歯後の注意事項

うがいをあまり、頻繁にしないようにして下さい。
抜歯後、血が止まりにくいケースがあります。帰宅後暫くして、大量に出てくるようなケースは、緊急的にガーゼやテッシュを噛んで、止血を図り速やかに受診するようにして下さい。

体の免疫力が低下している時や、抜歯部位の細菌が悪いとき、抜歯した部位の傷の治りが遅い場合は、抗生物質の量を変更したり、消毒をこまめに行い対応いたします。

抜歯後、歯茎から骨が飛び出してきた。
抜歯後、抜いた部位は血が固まり、骨が徐々に再生してきます。その際に、再生してくる骨が一部尖って、触ると痛かったりします。その際は、麻酔して尖っている部位を平らにならしてあげれば大抵治ります。ご相談ください。

抜歯中に起こりうること

気腫:皮下組織に空気がはいることにより、顔面が大きく腫脹します。2週間で消失しますが、抗生物質を服用して頂きます。

前後の歯の詰め物がとれたり、歯がかけることがあります。
詰め物が古く緩んでいたり、虫歯で歯が脆くなっていることが原因です。
その場では抜歯を優先させて頂き、応急処置をします。
その後、治療が必要になりますが、治療費は発生いたします。

抜歯後におこりうること

抜歯後に、前後の歯がしみたり、噛むと痛く感じたりする。
これは、抜歯した部位の歯周組織がダメージを受けるためで、大半は、何もしなくても抜歯部位が治るにつれて痛みは消えていきます。症状がひどい場合は、咬合調整や神経処置や知覚過敏などの処置が必要になるケースもあります。その際の治療費用は発生いたしますのでご了承ください。

親知らずの抜歯について

上顎の親知らず

大抵は腫れることも少なく、痛みも数日で消えます。
一部に、上顎洞(鼻の横にある空洞)と交通している場合があります。
症状として鼻血が出てくることがあります。
大きさにもよりますが、数日で封鎖してくることがおおいです。治癒までの期間は、強いくしゃみをしないなど注意事項をお守りください。
必要な場合は、上顎洞閉鎖術を行うことがあります。

下顎の親知らず

下の親知らずの場合は、術後4から5日腫脹して痛みが強く出ることがあります。また、顎下部(顎の下)に青あざ・内出血がみられることがあります。青あざは2週間程度で消失いたします。腫脹は1週間程度で治まりますが、痛みは2週間以上続く場合もあります。
痛みの具合で、鎮痛剤を処方しますので、ご相談ください。

骨粗鬆症の薬を服用している方へ

骨粗鬆症の薬を服用している場合は、抜歯後、抜歯部位の骨が壊死する場合があります。特に、長期間服用されている方や、注射により治療を受けている、また、高齢の患者様の場合は、3ヵ月程度、休薬期間をもうけてからの抜歯となります。

万全を期しますが、それでも骨壊死が起こった場合は、大学病院などでの処置が必要となる場合もあります。内科医とは連携をとらせていただいてからの抜歯となり、当日抜歯はできませんのでよろしく願い申し上げます。

高齢者の患者さんへ

全身状態が悪く、多数の疾患を抱えられておられる方も、治療は可能です。
ただし、状態によっては、初診時に、かかりつけの内科医に治療の注意点などの確認を行わせて頂いております。もちろん、症状が強い場合は、応急処置は行いますが、本格治療に入る前に、連携をとらせて頂き、全身状態の把握が重要と考えておりますので、ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。

障害を抱えられた方へ

当医院では、重度の患者さんを除いて、障害をお持ちの方でも、できる限り対応させて頂いております。担当医と意思疎通が難しい場合でも、付き添いの方に治療内容をご説明させていただくことは可能です。お気軽にご相談ください。

歯を失った場合

入れ歯やブリッジ・インプラントで失った部位の回復を図ります。
それぞれメリット・デメリットがあります。
どの治療法が一番いいとかはありません。
それぞれの治療法をご理解されたうえで、選択いただければ、その治療法がその方にとって一番いい治療法になると思われます。詳しくは、担当医にご相談ください。

インプラントについてはこちら

治療期間を短くしたい方へ

治療内容によってはすべての方に対応できるものではありませんのでご了承ください。
どうしても治療内容によっては複数回必要な場合や、時間の経過を見て治癒の状態を確認していく必要な治療は適応外となります。
時間が限られていますが、かみ合わせなど無理のない範囲になりますが、集中治療は可能です。
基本、保険治療での対応は不可能となっております。
通える期間と回数によって、治療内容はかなり変わります。
型どりが必要な場合は、技工士に予定を事前に合わせてもらい、技工物が間に合うかなどの相談をして治療が可能か考えます。また、技工物が合わない可能性も含めて考え、型どりは2回行い、2つ技工物をつくり、いいほうをセットできるような体制をとります。

初回は、ご相談と口腔内の検査を行い、どこまでの治療が可能かご説明し、費用の見積もりを行います。お話を伺い、口腔内の状態と通院期間・回数から総合的に判断いたします。
費用は、保険が適応されまして3,000円前後です。

※口腔内の状態が良く、治療箇所が少ないケースは、保険治療で十分対応できるケースもあります。